世の中は母の日だった。私の母の誕生日がまもなくなので、私からのプレゼントはこれから。
写真は以前の母の日にあげたネコーシカ。
今日は私の母のことを少し書こうと思う。
私の母は中学のとき、教育実習に来た父とつきあうようになり、高校を卒業して駆け落ちするように結婚した。だから結婚式もしてはいない。指輪も見たことがない。それだからだろうか、私も同じように結婚式や指輪にはまったく興味がない。
母はとても高校での成績がよかった(ものしりで、あだ名は百科事典だったそう)ので、家族の中で唯一大学に行くように勧められ、試験を受けることになっていたのに、試験当日、すっぽかしてしまったらしい。そして父と駆け落ちしてしまった。
私は若い母がすこし自慢だった。私が小学3年のとき、ようやく27才。まちで買い物していると、母が男の人にナンパされ、私があとからついてくると「なんだ、子持ちか」といわれ、私は申し訳なく思った。
自由な感じの母だった。
基本的に明るかった。(今も同じ)
ときどき朝起きてこないので、心配になると「今日はね、なまけものディなの」と明るく言われた。そうなると朝ご飯も用意されないので、私と弟は1000円札をもらって一日分のパンを買いに行った。
「なまけものディ」の母は、どうしてるかというと、一日中ベッドでごろごろとビートルズを聴いながら、好きな本を読んでいたり、部屋を暗くして、ラフマニノフを聞いていたりしたものだ。
あるとき、どうして「なまけものディ」があるのかと聞いてみたところ、「だってお休みしようと決めないと、一日中休める日なんてないんだもの」と母。
トモダチに、なまけものディってあるの?と聞いたところ、「ないよ、そんなの」といわれたっけ。
私は母に不条理な叱り方をされたことがない。
「あなたは間違えることはないのだから、思った通り進みなさい」と言われた。そのことは、ひそかにずっといままでの私の自信につながっているんだと思う。
迷ったときには、心に言い聞かせてきた。
私は、大丈夫って。そう母もいっていたって。
私もなまけものディをつくろうかな。