音楽とまちづくり〜やっちゃえ!ジブン

横浜都筑のまちでコミュニティカフェやったり、音楽したり。こどもたちとまちづくりしたり。

私の友人シリーズ〜数奇な運命をたどっている、NY在住「まうみ」さん

私たちが最初に出会ったのは、名古屋で私が音楽活動していたとき。18ビートジャズのインストバンドをつくり、ライブハウスに出まくっていた頃だ。

ジャズピアノを弾きたいので教えてほしい、と彼女に言われ、誰にも教えていなかった私はしぶしぶOKした。それから、私の実家で毎月1回ほど、ジャズピアノを教える中、なんでも話せる大切なトモダチの1人になっていった。彼女は忍者屋敷のある伊賀上野からはるばる、私の実家の名古屋、天白区まで通っていたのだ。

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私がいらなくなったエレピは、まうみさんがNYまでもっていって、今も活躍しているらしい。


話を聞く中、彼女が高校生のとき、家業がつぶれ、サラ金業者の執拗な脅迫電話の相手を一手に引き受け、逃げる父親の代わりに相手をしていたけれど、日本刀を持った連中に追いかけられたり、家の物すべてに赤紙が貼られて持って行かれたり、終いには借金のカタにと危うく売られそうになったりと、散々な目に遭ったこと、学校に戻れという教授の熱意で再び音楽の勉強に精を出したこと・・・・。

その後競売されてしまったグランドピアノを必死に探し出し、買い戻し、それを置く部屋まで用意してくれた、男性(当時彼女を慕っていた)の家に転がり込んだものの、その男性を恋の対象として見ることができず、なんと、その男性のいとこに無理矢理「わたしと結婚して!」と迫り、電撃結婚して伊賀上野の山奥に住んでいることを知った。

彼女の家のある伊賀上野は、彼女がいたときはまだ土葬。水道は引けて無くて、速達も局留めだった。私はクロネコヤマトを使って手紙を出したっけ。

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山登りが好きだった私は、まうみさんを誘って穂高などにもいった。
まんなかの写真は山登りの前後で高山によったときかな?
すべて左側がまうみさん、右が私。



その後、男の子2人に恵まれ、伊賀上野での暮らしが中心になる中、ホームステイに来たアメリカ人男性(彼女より8才年下)と、「これは湯飲みです」などと片言の英語と日本語でやり合っているうちに、この人はわたしのソウルメイトだと直感し、3歳と4歳の幼児(男の子)を連れて、家を出てしまった。あまりにアバンギャルドな行動に、許容範囲の広い私もぴっくり。

私は当時心配して、彼女の恋人に会いに、京都まで行ったことがあった。彼女の恋人の父親が、アメリカの大きな会社の副社長だと知って驚いた。しかしそんなこととは関係なく、彼らは実にシンプルな生活をしていて、2人は似合っていた。

それから何年も会っていなかったのに、10年前くらいに一度、彼女たちのいるニューヨークに出かけて、泊めてもらい、ゆっくり話した。彼女の家には今も、私から購入したエレピがあった。彼女はピアノの教師をしていて、カーネギーホールで演奏することもあるらしい。彼女の息子たちは、お父さんが急に外国人になり、急にアメリカの学校に行かされて、そうとうグレているんだろう、と思ったら、すてきな優しい青年になっていた。

人ってなにが起こるかわからないんだ。

かわいい男の子が2人も生まれて、ジャズはやめてもう田舎にこもるのね、と思っていたら、ニューヨークまでいってしまい・・・。

9.11の事件があったとき、彼女はバスの窓から真正面に見える、ツインタワーのようすを見てしまったらしい。そのショックでしばらく呆然とした状態が続き、スーパーの駐車場でカージャックにまで遭ってしまった。

 

それから自分にもこの先どんなことが起こるかわからないのだからと、これまでの自分の人生をちゃんと書き残し、それを息子たちに渡そうと決意し、いきなり取り憑かれたように書き続けた文章は、いつしか小説のようになった。そのことを聞いたわたしは、「すばる」の新人賞に出してみたらと言ったら、賞はとれなかったものの、最後まで選に残っていた。やっぱり普通の人じゃないな〜と思った。
 
その後、ブログも書き始めたのだけど、東北の震災以来、特に日本のことを書くようになった。
私の横浜の知り合いが、よくFacebookに彼女のブログをシェアしているのをみて、知り合いなの?とびっくりしたけど、そうではなく、記事を評価しているのでシェアされているらしい。

またいつかニューヨークに行って、早起きしてリスを眺めながら、ベーグルの朝食をとって、ゆっくり話したいよね、まうみさん。まだ大阪弁抜けてないの??

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骨がありすぎてついていくのが大変な、友人のブログです。

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